【健康コラム】肩こり改善|広背筋のストレッチ

肩こりの発症にはさまざまな原因がありますが、そのほとんどが「姿勢」に問題があると言われています。
正しい姿勢は、重心が体の中心に整っており筋肉がバランスよく使いわれている状態ですが、猫背などの不良姿勢の場合、重心が足裏から頭に向かって斜め前になり、背面の筋肉を過剰に緊張させて姿勢を維持することになります。このような状態が慢性化してしまうと使い過ぎた筋肉は血行不良によって凝りや痛みをうみます。
肩こりもこのような原因によって生じることが多い問題です。

今回は、肩こり改善において知っておきたい「広背筋」の知識と、その筋肉の柔軟性を高めるためのストレッチをご紹介します♪

記事内容
  • 1.広背筋とは?
  • 2.広背筋のストレッチ
  • 3.治らない肩こりのための治療

1.広背筋とは?

①どこの筋肉?

広背筋(こうはいきん)は、背中の中央に位置する大きな筋肉で、具体的には背骨の両側から肩甲骨にかけて広がっています。
胸郭の下部(背面)にあたる場所なので呼吸動作に寄与しています。そのため、呼吸補助筋とも呼ばれています。

②どんな役割をしている筋肉?

広背筋は主に、1)呼吸補助 2)姿勢維持 3)肩甲骨動作 の際に使われる筋肉の一つです。

1)呼吸補助
広背筋は呼吸補助において重要な役割を果たしています。呼吸において広背筋がどのように機能するかを以下に説明します。

広背筋は、背中に位置する大きな筋肉であり、その一部は呼吸筋としての機能を果たしています。具体的には、広背筋の上部は横隔膜と連動して呼吸の深さや強さに影響を与えます。

呼吸時には、広背筋が収縮することで背中の領域が広がり、胸郭が拡張します。この拡張によって肺に空気を取り込む際、広背筋はその拡張を補助します。広背筋の収縮によって背中が広がり、胸郭が上下左右に広がることで、肺に十分な空気が取り込まれ、呼吸が効果的に行われます。

深い呼吸や腹式呼吸を行う際、広背筋の柔軟性と強さが重要です。広背筋が柔軟であると、背中がより広がり、肺が最大限に広がって空気を取り込むことができます。これによって、体全体に酸素が効率的に供給され、新鮮な酸素を吸い込んで老廃物を排出する呼吸プロセスが効果的に行われます。

緊張した広背筋や姿勢の悪さは、呼吸を制限しやすくなります。そのため、広背筋を柔軟にし、正しい姿勢を保つことで、呼吸が深く、効果的に行われるようになります。忙しさや緊張などのストレスによって呼吸が浅くなることは多いかと思いますが、筋肉の状態によっても深い呼吸がしづらい、自然な深呼吸ができないと感じる場合があります。正しい呼吸は体全体の健康に寄与するため、広背筋の健康維持は重要です。

2)姿勢維持
広背筋は姿勢維持において主要な役割を果たしています。正しい姿勢を維持する際に広背筋がどのように機能するかの説明です。

広背筋が強化されていると、前傾や猫背などの不良姿勢が防がれ、首や肩の筋肉が正常な位置で働けるようになります。これにより肩が正しい位置に安定します。

また、広背筋は背骨に広がる大きな筋肉であり、これが強力で柔軟な状態にあると、体幹の安定性が向上します。体幹が安定していると、全体の姿勢が安定しやすくなります。

正しい姿勢を保つためには、身体の様々な筋肉がバランスよく協力して働く必要があります。広背筋が強化され、柔軟性が保たれていると、他の筋肉とのバランスがとれ、姿勢が崩れにくくなります。

総じて、広背筋が適切に機能することで、背中や肩周りの筋肉が適正な状態を保ち、それが正しい姿勢の維持につながります。姿勢が良好な状態では、体重の分散や脊椎への負担が適切に分散され、日常生活や活動時に快適な姿勢を維持することが可能です。

3)肩甲骨動作
肩甲骨の動きにおいて、広背筋は重要な役割を果たします。肩甲骨の動作とその際に広背筋がどのように機能するかについて紹介します。

広背筋は肩甲骨の下部を様々な方向に引っ張ることができ、肩関節の動きを生み出します。
また、肩甲骨の安定性にも影響しています。正しい姿勢や動作時に広背筋が適切に働くことで肩甲骨が適切な位置に安定します。これによって、腕の動きや上半身の動作が安定し、効果的に行われることが可能になります。

さらに、広背筋は肩甲骨と連動して腕の動きにも影響を与えます。例えば、腕を後ろに引く動作や外側に広げる動作では、広背筋が活動して肩甲骨を引き寄せ、腕の動きを支えます。

広背筋は肩甲骨の動きや位置調整において中心的な役割を果たし、これが正常な上半身の運動や姿勢の制御に寄与しています。広背筋の柔軟性と強さを維持することが、肩甲骨の正常な機能を維持し、肩や上半身のトラブルを予防するのに重要です。

これらの役割からわかるように、広背筋は日常生活の様々な場面で重要な動作を担当しており、その健康な状態は姿勢や動作の質、そして肩こりなどの問題の予防にも寄与します。

③姿勢と肩こりとの関係性

正しい姿勢が保たれているかどうかは、慢性症状によって現れやすいです。
正しい姿勢では、体の重心が中心に整っており、筋肉がバランスよく使われています。この状態では、広背筋や他の筋肉が正常に機能し、肩や首の周辺の筋肉が無理なく働きます。しかし、不良な姿勢(例えば、猫背や前かがみの姿勢)の場合、以下のような問題が生じる可能性があります。

ーアンバランスな姿勢による筋力・柔軟性の低下ー
不良姿勢では、体の重心が中心からずれてしまいます。これにより、背面の筋肉、特に広背筋が不自然な負荷を受け、過剰に緊張します。
不良姿勢が続くと、特定の筋肉が過剰に使われ、他の筋肉が弱まることがあります。
例えば、猫背の場合、背中の筋肉が緊張しすぎ、胸の筋肉が弱まりやすくなります。

ー血行不良と痛みー
使い過ぎたり緊張しすぎたりした筋肉は血行が悪くなり、それによって凝りや痛みが生じやすくなります。特に肩こりは、不良な姿勢が原因で広背筋や首の筋肉が緊張し、血行不良が起こることが多いです。

したがって、良い姿勢を維持することは、肩こりの予防や改善に重要です。姿勢の良し悪しは日常の座り方や立ち方、歩き方に影響されるため、意識的に正しい姿勢を保つことが大切です。適切な座り方や立ち方、デスクワークやスマホの使用時などにも注意を払うことが、肩こり対策に役立ちます。

また、姿勢は習慣的なものであると同時に、ご自身の習慣化された姿勢バランスに合わせるよう筋肉は変化していくため、姿勢改善を検討する場合は、硬化した筋肉を緩める治療や、骨の歪みを矯正するなど、医療的な面でもアプローチすることが重要です。
姿勢改善がうまくできない、正しい姿勢がわからないという方は是非ご相談ください。

2.広背筋のストレッチ

当院の国家資格保持臨床家による広背筋の柔軟性を高めるストレッチ解説動画です。

ホームワークは心と体への大切なメンテナンスです!

ご自身の症状に合わせて、お風呂上がりや就寝前など心を落ち着かせて深い呼吸と共にできる時間を確保しましょう♪
少しのメンテナンスが未来の体の健康を作ります。

3.治らない肩こりのための治療

軸の取れてない緊張したカラダは、パフォーマンス低下、怪我、故障のリスクが高くなります。
治らない肩こりの原因を把握し、適切な治療を行うことが重要です。

ーメディカルジャパン東洋医学的アプローチー

圧痛、硬結除去など、必要に応じて精神安定や自律神経の調整、頸肩部、肩甲間部の圧痛、硬結やその他対応経穴に施術します。
【肩こりにおける鍼灸・指圧処方例】 天柱、風池、肩井、膏盲(こうこう)、身柱

ーメディカルジャパンにしかできない介入例ー

腱板炎・腱板損傷とは違い、基本的には血行不良によって引き起こされるもののため、血流の改善を目的とした治療となります。
首~肩~背部、更には腰や足…と全身からアプローチすることで、ご自身で自覚されている部位だけでなく、隠れている要因も改善していきます。 また、それに伴い呼吸法や姿勢矯正を行うことで、可動範囲の拡大や柔軟性の向上を目指します。

早期の改善をめざすため、一人一人に合わせたカウンセリング、カスタマイズ施術、オーダーメード施術をご提供します。

「肩甲間部への鍼パルス治療」
鍼を硬くなった筋肉刺入して、そこに低周波を流すことで慢性的な痛み、筋肉のこりや血行不良に安定した効果を発揮する優れた治療法です。さらに肩甲骨の位置を自動運動で下制・内転することにより、頭部の位置を正常に修正します。
大切なことは、『姿勢保持する筋力をアクティブすること』です。決して、もみほぐしだけでは改善しません。

「AI姿勢分析システム」
現在の姿勢から、筋肉が硬くなる部位や痛みの原因となる部位、未来の姿勢などを推定し、施術の方針や効果をよりわかりやすく説明することができます。患者様自身にも体の状態を理解してもらいやすくなりました。
これによって、どこの筋肉を緩めたら良いのか、どこの筋肉をトレーニングしたら良いのかがわかります。自分の身体を認識すれば、何を改善すればよいのかがわかります。 もちろん、更に的確な施術も可能となります。そして、このような分析をもとにあなたに合ったトレーニング法と、ストレッチ法をお伝えすることができます。

お困りの方はご相談ください。

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●理学療法士(国家資格免許)
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前田 智世